最近の注目情報詳細2013年4月)

 

1.関西広域連合・道州制研究会 課題整理へ初会合

2013年3月23 神戸新聞)

関西広域連合の「道州制のあり方研究会」(座長・新川達郎同志社大大学院教授)の第1回会合が23日、大阪市内で開かれた。今後、河川管理や中小企業支援、鳥獣保護などの具体的な事務に対する国と地方の関わり方を例示し、課題を整理することなどを確認した。

 

 同研究会は大学関係者4人で構成。道州制をめぐる国の動きに対応し、国主導の中央集権型道州制にならないよう、問題点や課題を浮き彫りにする場として設けられた。6月に中間報告、来年1月に最終報告を出す予定。

 

 この日は中村正久滋賀大環境総合研究センター特任教授がゲストで参加し、河川管理をテーマに議論。「これまでの河川整備計画には地方の意見が反映されていなかった」「流域の市民の意向を重視した分権の仕組みをつくっていく必要がある」などの意見が出た。(岡西篤志)

 

 

2.熊本県が州都構想、道州制にらみ誘致課題まとめる

2013年4月4日 読売新聞/熊本)

 県は、道州制が導入された場合に州都を誘致するための課題などを「州都構想」としてまとめた。九州各地、全国、世界との交通網整備、政治・行政機能の強化、県民の機運づくりなどが必要だとしている。

 

 蒲島知事、五百旗頭真・県立大理事長らが昨年5月から3回にわたって開いた有識者会議での議論を基にした。

 

 「州都構想」では、九州の州都のイメージを、▽政治・行政の中心として九州各地と緊密に結ばれ、多くの人々が交流する▽全国、世界に開かれ、経済面でも活力にあふれている▽住民は、安心・安全で、品格ある環境の中で、質の高い生活を実感できる――とした。

 

 その上で、県内の現状を分析し、地理的な面では九州新幹線や高速道の整備で南北の交通網は充実したが、大分、宮崎方面は車で片道3時間かかるなど整備が遅れていると指摘。

 

 政治・行政機能では、国の主要な出先機関は七つで、福岡市の十七の半分以下である点などを問題視。今後、国際機関を含めて公的機関の誘致を図ったり、九州全体のとりまとめ的な事務局業務を積極的に引き受けたりすることで、「九州の良き世話役の役割を強化すべき」とした。

 

 

3.道州制法案 分権論議を深めてこそ

2013年4月7日 北海道新聞・社説)

 自民、公明両党が「道州制基本法案」を今国会に提出する方針を固め、一部野党も与党案を軸に前向きに検討し始めた。

 道州制は数年前に議論が盛り上がり、とりわけ北海道は全国に先駆けて道州制特区に指定された。しかし、独自政策はほとんど実現していない。

 地方分権の進展こそが、地方の活力を生む。国の統治制度を根本から変える道州制は、その一つの手段であることは明らかだが、議論が尽くされたとは言えない。

 まずは「導入ありき」ではなく、特区を検証したうえで、国と地方の役割分担を論議し、地方分権を加速させるべきだ。

 道州制は47都道府県を約10の広域な「道」「州」に再編し、国の権限や税財源を地方に移譲する構想だ。

 2006年には北海道を対象とする道州制特区推進法が成立した。

 この制度で、道はこれまで30項目の権限移譲を政府に提言してきた。しかし、道独自に認められたのは、わずか2項目にすぎない。

 地方分権に対する政府の消極姿勢の表れと言われても当然だ。

 昨春、橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」(当時)が道州制実現を政策の柱に掲げたことを受け、昨年12月の衆院選では、自民党などが導入を公約に掲げた。今回の法案提出はこの流れの中にある。

 とはいえ、議論が盛り上がったわけではなく、唐突感は否めない。

 与野党に求められるのは、道州制導入が自治の形をどう変え、地方経済にどんな影響を与えるのか、という視点で論議を呼び起こすことだ。

 中央の動きに対しては、全国町村大会が昨年11月に、導入反対の特別決議を採択している。知事の中には反対意見もある。

 道州制は地方の発想ではなく、国が行財政改革などの手段として利用するとの意識が、地方側に根強くあることを忘れてはならない。

 とりわけ小規模自治体には、一段の効率化を迫られ、再び合併論議が起こることへの不安も大きい。

 政治がまず取り組むべきは、地方の疑念を払拭することだ。

 法案は基本理念と導入への手続きなどで、制度の中身は基本法成立後、3年をめどにまとめるという。

 エネルギー政策や領土問題、教育、福祉など、国も地方も関係する分野は幅広い。その線引きは困難な作業となる。道州間の税収格差の調整や、国と地方合わせて約1千兆円に上る借金の扱いなども難航必至だ。

 こうした議論の積み重ねが分権推進の糧となる。政府・与党は法案にこだわらず、その手続きを踏むことを優先する必要がある。

 

 

4.首相、道州制基本法「早期制定目指す」

2013年4月9日 日本経済新聞)

 衆院予算委員会は9日午前、統治機構や政治改革などを主要テーマに集中審議を実施した。安倍晋三首相は道州制について「地域間格差や地域経済の停滞という課題に対応するため取り組んでいかないといけない」と指摘。「道州制基本法の早期の制定を目指したい」と強調した。

 

 道州制は都道府県を廃止して、全国を10程度の「道」や「州」に再編する制度。日本維新の会やみんなの党も導入に積極的な考えを示している。

 

 衆院の選挙制度改革に関しては「『1票の格差』是正は喫緊の課題で、最優先として対応しないといけない」と語った。小選挙区の「0増5減」を盛りこんだ公職選挙法改正案を、定数削減や抜本改革よりも先行実施すべきだとの考えを強調したものだ。

 

 

5.京都なくす道州制許すな 共産党が見解発表

2013年4月10 京都民報)

 日本共産党京都府委員会(渡辺和俊委員長)、同党府議団、同京都市議団は10日、道州制についての見解「京都をなくし、府民の暮らしと地域社会をこわす道州制は許しません」を発表しました。

 同見解では、住民不在ですすめられている道州制について「地方自治の制度を根本からくつがえし、府民の暮らしと市町村を切り捨てるもの」と批判し、世論と運動を広げ、党派をこえた幅広い共同をよびかけています。

 3つの章で道州制の問題点を指摘。第1の「道州制導入への危険な動き」では、経団連、財界が道州制の推進を示してきた経過や、安倍首相自ら「道州制基本法の早期の成立をめざす」と明言していること、橋下大阪市長を中心とした「維新の会」が「突撃隊」として道州制導入を推進している状況などを解説しています。また、山田府知事、門川京都市長らが、道州制導入への動きを加速させていることにも触れています。

 2の「道州制は京都と府民に何をもたらすか」では、財源の「選択と集中」をすることによって、財界が望む大型プロジェクト・大開発をねらう一方、住民の生活は医療・福祉、教育、まちづくりなどの施策が切り捨てられる危険性を指摘しています。

 最後の「京都を守り、住民・主人公の地方自治、地方経済の拡充こそ」の章では、「京都をなくし、府民の暮らしと地域社会をこわす道州制をくいとめ、住民主人公の京都をごいっしょにつくりあげていきましょう」と呼びかけています。

 

 

6.道州制基本法案提出へ

2013年4月12 公明新聞)

○与党ワーキングチームが合意 地方の意見踏まえ議論

 

 自民、公明の与党両党は11日、衆院第2議員会館で道州制基本法に関する立法ワーキングチーム(WT)の初会合を開き、「道州制推進基本法案」を今国会に共同提出することで合意した。公明党から遠山清彦衆院議員(WT公明党座長)、横山信一、石川博崇両参院議員が出席した。

 

 道州制について自公両党は、野党時代から議論を進め、基本法案に対する意見は大筋で合意している。

 

 会合では、「あくまでも道州制の是非を議論するための法案であり、道州制導入を前提としたものではない」との公明党の主張により、「道州制基本法案」の名称を「道州制推進基本法案」に改めたほか、地方の意見を踏まえて議論を進めることを新たに法案に盛り込んだ。

 

 遠山氏は「今後は道州制に積極的な各党・会派にも協議を呼び掛けていく」と語った。

 

 

7.九州政令市長会議:道州制「九州府」実現へ報告書

市町村中心に目指す 都道府県から権限・税財源移譲図る 

2013年4月12 毎日新聞/熊本)

 福岡、北九州、熊本市長による第3回九州政令市長会議が11日、北九州市内であり、九州における道州制「九州府構想」の実現を市町村を中心に目指すとする報告書をまとめた。今後は政令市教委が人事権を持ちながら、県に権限のある市立小中学校教職員の給与や定数については3市の検討会を発足させることを決めた。【降旗英峰、宍戸護】

 

 3市長は昨年4月の初会合で、大都市制度についての共同研究会設置を決めた。3市の部課長級職員9人が今年3月まで11回議論を重ねて、報告書をまとめた。

 

 報告書によると、3市は、都道府県から市町村に大幅な権限・税財源移譲を働きかける▽3政令市を核とした広域連携・都市圏連携を推進する▽大都市における住民自治の充実を図る−−などとまとめた。

 

 今後は、3市教委が人事権を持つ一方、給与や定数は県に権限のある市立小中学校の教職員について、どういう税源移譲が考えられるかを議論する検討会を近く設立する。また長崎、鹿児島市など九州の中核市と意見交換し、連携を深めていくことも確認した。

 

 会議終了後の記者会見で、高島宗一郎・福岡市長は「3市が力を合わせて九州全体の発展を目指していく」と語り、北橋健治・北九州市長は「3市が相談しながら各方面にアピールする3本の矢になれれば」と述べた。幸山政史・熊本市長は「あとは道州制をいかに具体化していくか。2市と連携して役割を果たしたい」と話した。

 

 

8.橋下氏「地方分権、道州制進めるために改憲」

2013年4月15 読売新聞)

 日本維新の会の橋下共同代表は15日、「地方分権、地方分権と言っても40年、50年進まない。憲法を変えて本気で地方分権、道州制を進める」と述べ、道州制の早期実現のために憲法改正が必要との考えを示した。

 

 大阪市で記者団に語った。

 

 橋下氏は、「92条で、都道府県と市町村が憲法上の地方公共団体と位置づけられてしまっているので、今の憲法のままでは道州制を一気に進めるのは難しい」とも指摘した。

 

 橋下氏は憲法改正発議要件を定めた96条改正に意欲を示している。橋下氏は14日、簡易投稿サイト「ツイッター」で、「96条改正をするには何のための改憲かはっきりしろと言う。それは道州制の改憲だ」と言及した。

 

 

≪8.「維新は道州制改憲を主張したい」橋下氏、ツイッターで表明≫

2013年4月14 MSN産経west

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は14日、自身の短文投稿サイト「ツイッター」で「日本維新の会は、道州制改憲を主張したい」と表明した。地方自治の原則を規定する憲法92条の改正に言及し、「憲法に道州制を位置付けて、法律によって一気に道州制を進める」と述べた。

 

 橋下氏は「現行憲法下では、道州制を進めるにしても、都道府県の同意が必要となりかねない。これでは道州制など1000年かかっても実現できないであろう」と指摘。憲法改正の発議要件を定めた96条の緩和に改めて意欲を見せ、「日本維新の会の96条改正は、道州制改憲のためのもの。ここを明確に打ち出していきたい」と書き込んだ。

 

 

9.自民 道州制基本法案に慎重意見

2013年4月16 NHK)

 自民党の役員連絡会で、都道府県をより大きく再編成して国の権限や財源を移す「道州制」を導入するための基本法案を巡って、「地方団体には異論もある」などとして、慎重に検討すべきだという意見が相次ぎ、丁寧に党内論議を進めることを確認しました。

 

 

10.道州制:維新とみんなが素案決定…国会で初会合

2013年4月17 毎日新聞)

 日本維新の会とみんなの党は16日、「道州制基本法案」策定に向けた作業チームの初会合を国会内で開き、素案をまとめた。道州の設置▽国の事務の道州または市町村への移譲▽国と地方公共団体の税財政制度の見直し▽都道府県の廃止▽国の行政組織の見直し−−などを改革の基本方針として法案に明記し、施行後2年以内に関連施策を実施する法制上の措置を講じることとした。また、道州設置の目標時期を「施行後7年以内」と定めた。

 

 両党は基本法案を今国会中に議員立法で共同提案する方針。自民、公明両党との協議にも応じる構えだ。【中島和哉】

 

 

10.道州制法案 自公と協議応じる≫

2013年4月16 NHK)

 日本維新の会とみんなの党は、都道府県をより大きく再編成して国の権限や財源を移す「道州制」を導入するための基本法案について、自民・公明両党から国会への共同提出に向けた協議の呼びかけがあれば応じることを確認しました。

 

 自民・公明両党は、道州制の理念や導入までの工程を定めた「道州制推進基本法案」について、日本維新の会やみんなの党にも呼びかけて、今の国会に共同で提出したいとしています。

 これを受けて、維新の会とみんなの党は16日、道州制についての作業チームの初会合を開き、道州制を導入するための基本法案を議員立法で今の国会に提出することや、自民・公明両党から共同提出に向けた協議の呼びかけがあれば応じることを確認しました。

 そのうえで、自民・公明両党に対し、道州制の導入と併せて、中央省庁などの行政組織や事務を簡素なものにすることや、新たに設置される「道」や「州」に財源を移譲して自主的に財政運営ができるようにすることなどを法案に明記するよう求めていくことになりました。

 維新の会の松浪国会対策委員長代理は、記者会見で、「自民・公明両党がさまざまな事情で今の国会に基本法案を提出できないということになれば、維新の会とみんなの党の2党だけでも法案を提出したい」と述べました。